手術

子宮筋腫の手術の種類

子宮筋腫の低年齢化が進んでいるということを子宮筋腫とは?のページにてお伝えしましたが、少し前までは検査体制がシッカリしていなかったということもあり、子宮筋腫は40歳以降で発症する人が多かったそうです。

最近は晩婚化が進んでおりますが、以前は40歳を過ぎる頃には既に子供も落ち着いた年齢まで成長しており、それ以降子供を望まないことから子宮を摘出する手術を受ける人が多かったとのことです。

手術を必要とする人は20%程度

子宮筋腫と診断されたとしても治療や手術を行わなければいけないと、医師に判断されるのは20%ぐらいとされております。

「治療や手術が怖いから…」という理由で、病院に行くのを先延ばしにしていると、発見が遅れてしまい手術せざるを得ない状況になってしまう可能性も考えられます。

子宮筋腫核出術で子宮を残すという選択肢

今後妊娠して赤ちゃんを欲しいと希望する場合には、子宮を全て摘出するのではなく筋腫のみを手術で摘出する子宮筋腫核出術が行われます。

筋腫の出来た部位や大きさにより、子宮内腔や卵管に影響を与え不妊の原因となることがあるので、不妊治療の一環としても筋腫核出術は用いられます。

子宮を摘出する場合

すでに子供を授かっており、今後の妊娠を望まない場合には、再発の危険性の無い子宮を全て切除(子宮全摘出)してしまう方法が最適です。

子宮を摘出したとしても、子宮内膜症などによる合併症がなければ卵巣までを切除する必要はなく、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌などは変わらずに行われますので、手術により更年期障害が発生する危険性などもありません。

妊娠は望んでいないが子宮は残したい場合

術後の妊娠は希望しないが、本来ある臓器を摘出まではしたくないという人に対して行われるのが、筋腫核のみを切除するための手術です。

この手術には後でご紹介する最新の切らない手術を適用することが可能となりますので、手術による負担を軽減することができます。

子宮筋腫に用いられる様々な術式

現在では術後の妊娠を望む、子宮を残すという選択に合わせて、複数の手術方法を選択することができます。

しかし筋腫のサイズが大きい場合には、手術方法を選択することが出来ない場合がありますので、医師から経過観察と診断され症状が無いからといっても、検査は怠らないようにしましょう。

開腹手術

昔から行われているお腹を切って行われるのが開腹手術です。筋腫の出来た部位、サイズなどに関わらず、筋腫核出術から子宮摘出まで全ての筋腫に対応することができる術式であり、実際に患部を目で見ることができるので安全性も高いと言われております。

しかし術後の体への負担が大きいことと、なにより傷が残ってしまうことが大きなネックになります。

そして切開する範囲が広くなりますので、1週間から10日前後入院が必要となります。
あくまでも合併症などの問題がない場合の入院期間であり、術後の経過によっては入院期間が延びることが考えられます。

腹腔鏡下手術(内視鏡手術)

開腹手術のように大きく切開するのではなく、お腹に数カ所目立たない大きさ(5ミリから10数ミリ)の穴を開け、そこから腹腔鏡(お腹の中をみるためのカメラ)を使って行われるのが腹腔鏡下手術です。

主に筋腫のみを切除する為の手術に用いられ、子宮はもちろんお腹への傷が小さく済むことから不妊治療にも多く用いられています。

設備が無ければ手術を行うことができないので、どこの病院でも受けることが出来るわけではないというデメリットがあります。

開腹手術よりは傷が小さいので5日程度の入院期間を要します。

子宮鏡下手術

粘膜下筋腫において最も体と子宮への負担が少ないのが子宮鏡下手術です。検査にて使われる子宮鏡に電気メスがついた機器を使い、子宮口から筋腫部分だけの切除を行うことができます。

手術時間は問題無ければ1時間程度で済み、お腹に傷が残ることもなく、子宮への傷も最小限で済むことから、早ければ手術をした翌日には退院できる場合もあります。
しかし適応できる筋腫が少なく(筋腫の部位とサイズによる)、手術を行っている病院が少ないというデメリットがあります。

皮膚部分にはメスを入れないことから、4日から5日程度の入院で済みます。

膣式手術

子宮を全摘出する際に、体の負担を減らすために行われるのが膣式手術です。膣の奥を切除しそこから子宮を全て切除することができる手術です。

海外にて多く用いられていた手法であり、体への負担が少ないことから近年では日本でも多く行われております。

有茎性粘膜下筋腫の場合は子宮を全部摘出するのではなく、筋腫のみを切除できる場合もあるそうです。

子宮鏡下手術同様に肌に傷つけることがなく、入院期間が短く済むというメリットが大きく、4,5日ぐらいで退院できるそうです。

最新の手術法(治療法)

先に紹介したような筋腫や子宮を切除しない最新の治療法も考えられております。

子宮を残し筋腫のみを縮小することができるのですが、妊娠への影響が大きいため妊娠を希望していない人に対してのみ行われます。

ここに紹介する治療の全てが日帰りで行うことができ、大事をとって1泊程度入院することもあるそうですが、仕事や家事で忙しい女性にとっては願ってもいない治療法といえます。

子宮動脈塞栓術(UAE)

子宮に出来た筋腫も成長するためには血液が必要であり、筋腫への血管のみを塞栓物質(ゼラチンんなど)で塞ぐことにより筋腫を小さくすることができます。

手術は太股にある大動脈からカテーテルを用いて行われますので、傷の大きさは5ミリ程度で済み、子宮などを傷つけること無く行えますので、手術による体への負担も少なく済みます。

あくまでも筋腫への栄養を遮断して、筋腫を小さくすることを目的としており、筋腫自体を取り去る治療法ではないので、筋腫が無くなるという訳ではなく、また思うように小さくならない場合もあります。

まだ新しい技術であることから、数日間の入院を規定している病院もあります。

集束超音波治療(FUS)

肌へ一切傷を付けず、体の外から超音波を使って筋腫を焼灼することができるのが集束超音波治療です。

MRIを用いて筋腫の位置を正確に確認した状態で行われ、超音波による焼かれた筋腫細胞は壊死して周りの細胞に取り込まれます。

腹痛や超音波による下腹部の皮膚炎の可能性はありますが、多くの場合は日帰りでの治療が可能となります。

マイクロ波子宮内膜焼灼術

電磁波の力を使って子宮内膜を焼灼することにより過多月経などの症状を抑える効果が期待できます。

子宮内腔に直接マイクロ波を発生させる機器を入れ、子宮内膜を焼灼することができ、子宮筋腫の治療とはいえませんが、月経痛の軽減なども期待することができます。

安全性は高く現在でも目立った副作用などは報告されておりません。
現在行うことができる病院が少ないという問題がありますが、月経異常への効果が高いことから今後の発展が期待されております。

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